恋と願いは欲せよ
やれやれと言わんばかりに「そろそろ授業始まるぞ〜」と続けざまに口にすると「やべ」「あざした〜ぶつかって悪かったな〜!」と男子達はその場を後にして言った。

「え、ハセン荷物は、え、投げたの…?」
結構な量の荷物を抱えていたはずだ。肩に置かれているこの手からするにどこかしらに置いたか投げたかしないと辻褄が合わないと思った。

「何言ってんだ…早く体育館行くぞ〜」

と枦山(ハセヤ)の胸元にもたれかかっていた神奈(カンナ)の体を押した。神奈(カンナ)は振り向き状況を確認すると、荷物は小脇に抱えられており枦山(ハセヤ)はそれを平気な顔をして持っていた。

「…ねえ、神奈(カンナ)……」

「…なによ。」

「枦山(ハセヤ)先生…格好良いね…」

「……ええ。」

先程まで意地を張っていた神奈(カンナ)も認めざるを得なかった。
高校入学1日目、余りにも恋愛漫画過ぎる巴(ハク)にとって美味しい展開はコレだけではとどまらずに、レクリエーションにて本腰が入る事になる。
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