政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「心配に決まっています。
こんなに忙しいだなんて、身体を壊してしまいます」
会社の先輩で、ある日突然、会社で倒れてそのまま亡くなった人を知っている。
その人は周りが止めるのも聞かずに、仕事に没頭していた。
零士さんがその人に、重なって見えた。
「……わるい。
清華がそこまで心配してくれるだなんて思わなかった」
零士さんは笑みを消し、神妙な顔になった。
「そうだな、まだ清華のすべてをもらってないのに、死ぬわけにはいかないな」
「そういう問題じゃ……」
いや、それでも気をつけてくれるのならいいのかな?
「うん、もう少し仕事は考える。
清華に淋しい思いはさせられないしな」
「淋しいなんて、そんな」
零士さんは納得して、食事を再開した。
私も箸を動かす。
……身体もだけれど、零士さんがいないのは淋しい。
素直にそう言えない自分は好きじゃない。
食事が済んで身支度が整った頃、秘書が迎えに来た。
「じゃあ、いってくる」
「いってらっしゃいませ。
今日の夕食は私が作るので、期待していてください」
「それは楽しみだ」
こんなに忙しいだなんて、身体を壊してしまいます」
会社の先輩で、ある日突然、会社で倒れてそのまま亡くなった人を知っている。
その人は周りが止めるのも聞かずに、仕事に没頭していた。
零士さんがその人に、重なって見えた。
「……わるい。
清華がそこまで心配してくれるだなんて思わなかった」
零士さんは笑みを消し、神妙な顔になった。
「そうだな、まだ清華のすべてをもらってないのに、死ぬわけにはいかないな」
「そういう問題じゃ……」
いや、それでも気をつけてくれるのならいいのかな?
「うん、もう少し仕事は考える。
清華に淋しい思いはさせられないしな」
「淋しいなんて、そんな」
零士さんは納得して、食事を再開した。
私も箸を動かす。
……身体もだけれど、零士さんがいないのは淋しい。
素直にそう言えない自分は好きじゃない。
食事が済んで身支度が整った頃、秘書が迎えに来た。
「じゃあ、いってくる」
「いってらっしゃいませ。
今日の夕食は私が作るので、期待していてください」
「それは楽しみだ」