政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
一緒に顔を寄せて、デザイン画を見た。

「ここのトレーンがですね、取り外しができるんですよ。
お式のときはトレーン付きで、終わってパーティのときは外して身軽になれるようにしたいんです」

デザイン画を捲って外したバージョンのものを見せる。

「凄いな、そんなことが考えつくなんて」

「で、零士さんの衣装も、ベストを変えてイメージが変えられるようにしようと思って」

「うんうん」

私の話を零士さんは嬉しそうに聞いている。

「でも式場がクラシカルじゃないですか、絶対に零士さんはフロックコート風の方がいいと思うんですよね。
零士さんはスタイルいいからどんなものでも着こなせそうだし」

「清華から褒められると嬉しいな」

ふふっと小さく笑い、零士さんが私の額へ口付けしてくる。
それがくすぐったくて心地いい。

「どっちがいいですか?」

タキシードとフロックコートのデザイン案を並べる。
私としてはフロックコート押しだが、コスプレ色が……とかもし言われたら諦めるしかない。

「どっちも素敵で選べないな。
清華はどっちがいいんだ?」

「あ、……フロックコートの方です」
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