政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「嫉妬をぶつけて一方的に俺が抱くのが清華の初体験だなんて、そんな可哀想なことできるわけないだろ」

ちゅっと口付けが額に落とされる。

「しそうになった俺が言うことじゃないけどな。
それに清華を溺れさせる自信はあるが、身も心も両方、俺に溺れてほしいからな。
身体だけとかダメだ」

ふふっと小さく笑い、零士さんはまた私の額に口付けした。

「自信はある、って……」

想像したら身体の奥が熱くなる。

「あるさ。
だからそのときを楽しみにしとけよ」

零士さんは得意げだが、反対に不安です……。

もう明け方近かったので、ベッドに入る。
零士さんはまた早いらしく、こんな時間まで私のために起きていさせて後悔した。

「おやすみ、清華」

「おやすみなさい」

横を向いて零士さんの腕に抱きつく。

「清華?」

「ダメ、ですか?」

もそりと身体を動かし、零士さんがこちらを向いた。

「いや、いい」

今度は零士さんの方から抱きついてきた。
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