政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~

「いつも俺に抱きついて寝てただろ?」

「うっ」

零士さんが眠ってから抱きついていたので、気づいていないと思っていた。
それに目が覚めたときはもう零士さんは起きているし。

「最初から遠慮せずにすればよかったのに」

「……恥ずかしいです」

暗いから見えないとわかっていながら、赤くなっているであろう顔に気づかれたくなくて彼の肩に顔をうずめる。

「これからは俺も清華を抱き締めて寝ていいか」

「……はい」

「ありがとう」

私を抱き締め直し、零士さんは寝息を立てだした。

「零士さん。
……好き」

聞こえないとわかっていながら小さく呟く。
好き。
きっと愛している。
零士さんになら滅茶苦茶にされたいくらい。
でもそれを言うのは、まだ恥ずかしい。
あと少し。
素直に言えるようになったら伝えよう。

目を閉じ、そこでふと思い出す。
身体だけなら溺れさせる自信があるって、それだけ抱いた女がいるってことだよね?
なんか、モヤッとするな……。
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