政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
第六章 デートはホテルで
目が覚めたら零士さんはもういないどころか、お昼を過ぎていた。

「今日、お稽古なのに!」

慌てて起き、お義母さまに遅れる旨の連絡を入れようと携帯を手に取る。

「零士さんからメッセ……?」

通知をタップして内容を確認した。

【おはよう。
母には清華は体調が悪いので、休むと連絡してある。
今日はゆっくり休むといい】

「……はぁーっ」

口から大きなため息が漏れる。
昨晩は零士さんを酷く心配させ、しかもこんなに気を遣わせて情けない。

「今日は夕食、私が作ろう」

それが償いになるのかわからないが、せめて彼が喜ぶことをしたい。

お義母さまにも休んで申し訳ないとメッセージを入れ、遅い昼食を取る。
思わぬ時間ができたので、ドレスの試作に当てた。

「だいぶ形になってきたかな……?」

部屋にはトルソーが四台、並んでいる。
しかも全部特注だ。
私と、零士さんの体型にあわせて作ってある。

「そろそろ零士さんに試着してもらってもいいかな……?」

実際に着てもらって、調整をしたい。
それに似合うかどうか不安もある。
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