政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
かぶせ気味に零士さんが否定する。
しかし別問題と言われても、それが原因としか思えない。

「理由を教えてください。
じゃないと納得できません」

「とにかくダメだ!」

大きな声を出し、零士さんがテーブルを叩く。
おかげで身体が大きく震えたが、これくらいで私が怯むとか思わないでもらいたい。

「古手川さんとの仲を疑っているんですか?」

「違う」

否定しようとそれしか考えられない。

「私は浮気なんて絶対にしません」

「浮気なんて疑っていない」

零士さんはむっとした顔をしている。

「ならなんで!」

「とにかくダメと言ったらダメだ!」

理由も言わずダメとだけ繰り返され、私の中でなにかがブチンと切れた。

「もういいです!」

テーブルに箸を叩きつけて立ち上がる。
そのまま、自分の部屋に逃げ込んだ。

「清華。
出てこい、清華!」
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