政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
眼鏡をかけ直し、彼が私を抱き寄せてちゅっと軽く唇を重ねる。

「どうだった?」

「次回、デザイン画と作品を見て判断だそうです」

「そうか。
清華の作るものだから売れると信じているが、不採算事業は即カットだからな」

「うっ」

ふふっとからかうように零士さんが笑い、胸にドスッと矢が刺さった。
責任重大すぎて、すでに気が重い……。
でも、やるんだけど!

「さて。
今からどこに行く?
映画か?
ショッピングか?」

零士さんはいろいろ勧めてくるけれど。

「……ホテル」

「……は?」

私の口から出た言葉を聞いた途端、零士さんが笑顔のまま固まる。

「清華、もしかしていやらしいことを考えているのか?」

「そんなことっ!
あるわけっ!」

間抜け顔でそんなことを聞かれ、反射的に食ってかかっていた。

「わるい、わるい。
でもなんでホテルなんだ?」
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