政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
あまりにも彼と過ごした日数が少なすぎて、まだ知らないことがたくさんある。
せっかくできた時間だし、この機会に理解するのもいいかも?

「すき焼きかしゃぶしゃぶかな」

「じゃあ、それにしましょう!」

いい考えだと胸の前で軽く手を打つ。

「俺の好きなのでいいのか?」

「はい、零士さんの好きなものが食べたいです」

少し不安そうな彼に笑って答える。

「そうか、わかった。
ここの和食レストランのしゃぶしゃぶが美味いんだ」

私を抱いたまま、零士さんが立ち上がる。
彼に抱っこされたまま部屋を出た。
街中ではないし必要ないんじゃないかなとは思うけれど、彼がそうしたいんならいいか。

レストランフロアで彼オススメの料亭に入った。
江戸時代から続く店で、ここではないが私も両親に連れられていったことがある。

なにも言わずに個室へ案内された。

「いつもの頼む」

メニューもなにも見ずにそう言って注文したあたり、ここの常連なのかもしれない。

「飲むだろ?」

さすがに飲み物はメニューを渡してくれた。
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