政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「そうですね……」

開いたものの、つい前日お酒で失敗した身としては遠慮したい。

「まだ気にしてるのか」

迷っていたらくすくすとおかしそうに零士さんから笑われ、頬が熱くなっていく。

「……それは、一応」

そのせいで零士さんは私を待って寝落ちるほど、寝不足だった。
気になるに決まっている。

「飲み過ぎなければいいだけだ」

なんでもない顔で言われ、さらに顔が熱くなった。
わかっていてあの結果だけに、耳が痛い。

「じゃ、じゃあ一杯だけ」

「うん」

結局、梅酒を頼んだ。
零士さんは日本酒。

すぐに頼んだ料理とお酒が運ばれてきた。

「清華のブランド設立に」

「気が早いですよ」

笑って互いにグラスを上げる。

「零士さん、ありがとうございます」

改めて、彼へ頭を下げた。
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