政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「マイ、フェアレディ?」
零士さんが再び恭しく差し出す手に自分の手をのせる。
「バランス的にどうだ?」
「いい、いい、最高です!」
「社長が替わってよかった!」
「フロックコートの社長、最高です!」
バシャバシャと携帯のシャッターが切られまくる。
それって絶対、私たちに見せるためじゃないですよね……?
……あとで全部回収したい。
なんて思っている私は確実に、心が狭いというか、零士さんとどっこいどっこいだ。
「君らそれ、あとで全部没収の上消去な」
命じた零士さんは冗談めかしていたが、眼鏡の奥の目はまったく笑っていない。
「ええーっ、パワハラですー」
「君らが可愛い清華の画像を悪用するとは思っていないが、どこから漏れるかわからないからな。
あと」
言葉を切った零士さんは私と目を合わせ、私にだけわかるように右の口端を僅かに持ち上げた。
おかげで顔が、火がついたかのように熱い。
「俺の画像を他の女が持っているのが、俺の妻は許せないらしい。
だからすまんな」
零士さんが彼女たちにウィンクし、悲鳴が上がる。
彼女たちと零士さんが気安い関係なのは私個人としては嬉しくないが、会社のあり方としてはとてもいいと思うので我慢しよう。
零士さんが再び恭しく差し出す手に自分の手をのせる。
「バランス的にどうだ?」
「いい、いい、最高です!」
「社長が替わってよかった!」
「フロックコートの社長、最高です!」
バシャバシャと携帯のシャッターが切られまくる。
それって絶対、私たちに見せるためじゃないですよね……?
……あとで全部回収したい。
なんて思っている私は確実に、心が狭いというか、零士さんとどっこいどっこいだ。
「君らそれ、あとで全部没収の上消去な」
命じた零士さんは冗談めかしていたが、眼鏡の奥の目はまったく笑っていない。
「ええーっ、パワハラですー」
「君らが可愛い清華の画像を悪用するとは思っていないが、どこから漏れるかわからないからな。
あと」
言葉を切った零士さんは私と目を合わせ、私にだけわかるように右の口端を僅かに持ち上げた。
おかげで顔が、火がついたかのように熱い。
「俺の画像を他の女が持っているのが、俺の妻は許せないらしい。
だからすまんな」
零士さんが彼女たちにウィンクし、悲鳴が上がる。
彼女たちと零士さんが気安い関係なのは私個人としては嬉しくないが、会社のあり方としてはとてもいいと思うので我慢しよう。