政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
片付けまで終わり、付き合ってくれた社員さんたちにお礼を言う。

「こちらこそ眼福でございました」

思い出しているのか、彼女たちは若干鼻息が荒かった。

「君たち、撮った写真は全部俺に送ったあと、削除な」

「社長、横暴ー」

零士さんの命令でまたブーイングが上がる。
画像削除命令は私のヤキモチに零士さんが気づいたからだ。
そしてそれを望んでしまっていた私は器量が狭いし、彼女たちには今日お世話になった。

「……その。
全部私にも送ってくれますか?
そしたら、削除しなくてもいい、ので」

なんとなく気まずくて言葉は途切れがちになる。
さらに伏せ目がちにおどおどしてしまった。

「え、清華さん可愛い……」

ぼそっと誰が呟いた次の瞬間。

「社長!
奥さん、凄く可愛いんですけど!?」

「あんな可愛い人が奥さんだなんてズルい!」

「真面目で、仕事もできて可愛いだなんて、どれだけハイスペなんですか!」

一気に皆さんが零士さんに詰め寄り、なにが起きているのかわからない。

「……あ゛あ゛っ?」
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