政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
もしかしたら、だから最後の頼みで私に相談したのかもしれない。
この状況ならそれも考えられる。
連れてこられたのは、いわゆる港の倉庫というヤツだった。
悪者のテンプレすぎて反対に笑えるとか考えている時点で、余裕はあるから大丈夫。
「入れ」
手を引っ張られ、奥に放り投げられる。
ごろりと転がったところを強引に起こされ、今度は椅子に座らされて手足を縛られた。
あまりにもドラマや映画の展開で、恐怖を感じるよりもおかしい。
「いいザマね、清華さん」
状況を把握できないうちに、カツカツとヒールの音をさせて鞠子さんが登場した。
「鞠子さん、無事だったんですね……!」
たぶん違うだろうなとは思っていたが、それでも彼女が無事で安心した。
これなら、自分の心配だけすればいい。
「あなた、この状況で私のことを心配しているだなんて、バカなの?」
はぁ?と呆れるように彼女は息を吐き出した。
「そうかもしれませんね。
でも、鞠子さんになにもない方がずっといいです」
甘いのはわかっている。
でもそれが私なので仕方ない。
「零士さんはこんな女の、どこがいいのかしら?」
再び呆れるように彼女が再びため息ともつかない息を吐く。
この状況ならそれも考えられる。
連れてこられたのは、いわゆる港の倉庫というヤツだった。
悪者のテンプレすぎて反対に笑えるとか考えている時点で、余裕はあるから大丈夫。
「入れ」
手を引っ張られ、奥に放り投げられる。
ごろりと転がったところを強引に起こされ、今度は椅子に座らされて手足を縛られた。
あまりにもドラマや映画の展開で、恐怖を感じるよりもおかしい。
「いいザマね、清華さん」
状況を把握できないうちに、カツカツとヒールの音をさせて鞠子さんが登場した。
「鞠子さん、無事だったんですね……!」
たぶん違うだろうなとは思っていたが、それでも彼女が無事で安心した。
これなら、自分の心配だけすればいい。
「あなた、この状況で私のことを心配しているだなんて、バカなの?」
はぁ?と呆れるように彼女は息を吐き出した。
「そうかもしれませんね。
でも、鞠子さんになにもない方がずっといいです」
甘いのはわかっている。
でもそれが私なので仕方ない。
「零士さんはこんな女の、どこがいいのかしら?」
再び呆れるように彼女が再びため息ともつかない息を吐く。