政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「清華の怪我が治るまでは傍にいる。
だから安心していい」

言葉を証明するかのようにまた、額に口付けが落とされた。

「はい……」

ゆっくりと息を吐き出して目を閉じる。
聞きたいことはたくさんあるが、まだ眠い。
起きたら、零士さんに聞いてみよう……。



翌日、念のための検査をさらに受け、退院した。

「こんなに清華の頬が腫れるほど撲つなんて、鞠子のヤツめ」

零士さんが触れる頬はまだ派手に腫れている。
それでも、痛みは軽くなっただけマシだ。
零士さんはさっきから鞠子さんへ呪詛を吐いているが、私としては彼女の手の方が心配だ。
あのときは興奮していたから気づかなかったんだろうが、あんなに私を叩いて手を痛めていないだろうか。

「でも、零士さんと思わぬ時間ができたので……」

それについては彼女に感謝だ。

「清華は本当に優しいな」

零士さんの唇が私の額に触れる。
帰ってきてからは彼のお膝の上、めいっぱい甘やかされていた。

「あの、零士さん。
どうしてあそこがわかったんですか?」

メイドさんが鞠子さんからの迎えに異常を感じ、零士さんに報告していた。
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