政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「反対するヤツは俺が黙らせてやる。
心置きなく作ったらいい」
零士さんの気持ちは嬉しい。
しかし。
「零士さん。
反対する人間はできあがったドレスで黙らせるので心配はご無用です」
「そうだった」
おかしそうに小さく笑い、また彼が唇を重ねる。
私を理解してくれるいい旦那様にもらわれて私は幸せだ。
ひさしぶりに参加した義実家でのお稽古は……随分雰囲気が変わっていた。
「もうよろしいのですの?」
私の顔を見てわらわらと人が寄ってくる。
「災難でしたわね」
「鞠子さんが、あんな」
笑顔を作って彼女たちの耳障りな囀りを聞く。
彼女たちは私を気遣っているわけではなく、おもねる相手を変えただけだ。
「……ねえ」
「……いやらしい」
「……不愉快ですわ」
ちらちらと視線を送りながらこそこそと交わされる言葉は、私に向けられていたものよりもさらに悪意に満ちていた。
今のターゲットは……鞠子さん。
心置きなく作ったらいい」
零士さんの気持ちは嬉しい。
しかし。
「零士さん。
反対する人間はできあがったドレスで黙らせるので心配はご無用です」
「そうだった」
おかしそうに小さく笑い、また彼が唇を重ねる。
私を理解してくれるいい旦那様にもらわれて私は幸せだ。
ひさしぶりに参加した義実家でのお稽古は……随分雰囲気が変わっていた。
「もうよろしいのですの?」
私の顔を見てわらわらと人が寄ってくる。
「災難でしたわね」
「鞠子さんが、あんな」
笑顔を作って彼女たちの耳障りな囀りを聞く。
彼女たちは私を気遣っているわけではなく、おもねる相手を変えただけだ。
「……ねえ」
「……いやらしい」
「……不愉快ですわ」
ちらちらと視線を送りながらこそこそと交わされる言葉は、私に向けられていたものよりもさらに悪意に満ちていた。
今のターゲットは……鞠子さん。