政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「清華ひとりが痛いなんて可哀想だろ。
だから、気にしなくていい」

また口付けされ、改めて零士さんに抱きついた。
再びゆっくりと彼が動きだす。
痛みに耐えようと力が入り、爪がぷつんと彼の皮膚を破った。

「清華」

名前を呼ばれ、きつく閉じていた目を開く。

「大丈夫か」

問われて、ただ黙って頷いた。
痛い、けれど彼とひとつになれた嬉しさが身体を駆け巡り、涙が溢れてきた。

「泣くほど痛いのか!?」

私が泣きだし、慌てる彼に首を振る。

「幸せ、で」

「俺も幸せだ」

目尻を下げて微笑んだ零士さんの唇が重なり、控えめに私の身体を揺らした。
それは次第に、激しくなっていく。

……なに、これ。

痛いのは最初だけだった。
快楽が私を飲み込んでいく。
身も心も零士さんに満たされ、溢れ……。

……溺れ、る……。
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