政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
私は今、零士さんの会社で自分のブランドの服を作っている。

「プレスの反応、好評でした!
単独特集を組みたいと、取材の申し込みも入っています」

「本当ですか!?」

打ち合わせで報告を受け、興奮した。

つい先日、ブランドの発表会を行った。
当日の手応えはよかったが、実際の反応は気になっていたので、この報告は嬉しい。

「この調子でどんどんいきましょう、どんどん」

彼女の調子がいいのは、そういう仕様なのらしい。
だんだん、慣れてきた。

「では、よろしくお願いしますー」

打ち合わせを終え、会社を出る。
今日は零士さんが帰ってくる日だから、夕食作りたいなー。

零士さんは仕事の整理をし、前よりも家にいる頻度がずっと増えた。
もともと、株やなんかと不動産収入だけで働かないでも十分やっていける。
会社経営は彼の趣味みたいなものなのだ。

「ただいま」

「おかえりなさいませ」

帰ってきた零士さんの唇が重なる。

「今日は私が作ったんですよ」

「それは楽しみだ」
< 243 / 252 >

この作品をシェア

pagetop