政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
ここでは日本よりもさらに若く見られるから、小さな子供扱いされても仕方ない。
でも、零士さんの小さな妹と見られるのは嫌だ。
仮にも……妻なのだ。

「待たせたな」

ケーキも堪能し終わり、零士さんまだかなーなんて待っていたら、彼が戻ってきた。

「用は終わったんですか」

「まあな」

零士さんに促されて立ち上がる。
支払いはすでに終えていたらしく、そのまま店を出た。

「行きたいところがあるんだが、いいか?
ちょっと歩くけど」

私を抱き抱え、零士さんが聞いてくる。

「私はいいですけど、零士さんは大丈夫ですか?
やっぱり、私も歩いた方が……」

「清華を抱えて歩くくらい、なんの問題もない。
それにしても清華は軽いなー。
しっかり食べてるのか?」

心配そうに彼が顔をのぞき込む。

「……食べてますよ」

少し熱い顔で、レンズの向こうから見つめる瞳から目を逸らした。
……零士さん、格好いいのズルい。
ちょっとしたことでどきどきしてしまう。
< 49 / 252 >

この作品をシェア

pagetop