政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
唐突にお兄さんが足を止め、顔をぶつけそうになった。
「ここでいいか」
お兄さんが親指でさした先にはカフェがあり、頷いた。
店で店員は奥の席を案内したのに、お兄さんは入り口に近い席を希望した。
さらに私を入り口側に座らせたのは、もし私がお兄さんに恐怖を感じたときに逃げやすくするためだろうか。
「なんでも頼め」
メニューを開き、私に勧めてくる。
「……紅茶、で」
「わかった。
……すみません」
すぐに店員を呼び、お兄さんは注文をした。
「……で。
どうして家に帰りたくないんだ?」
テーブルに肘をつき、軽くこちらに身を乗りだしてくるお兄さんの態度は真摯に見えて、口は滑らかに動く。
「父と高校の進路で喧嘩をして」
「具体的には?」
そんなことで、とか呆れられるんじゃないかと思ったが、お兄さんはさらに先を促した。
「今、大学まで一環の女子校に通っているんですが、私は夢を叶えるために外部の高校に進みたくて。
でも父から反対されました」
「ここでいいか」
お兄さんが親指でさした先にはカフェがあり、頷いた。
店で店員は奥の席を案内したのに、お兄さんは入り口に近い席を希望した。
さらに私を入り口側に座らせたのは、もし私がお兄さんに恐怖を感じたときに逃げやすくするためだろうか。
「なんでも頼め」
メニューを開き、私に勧めてくる。
「……紅茶、で」
「わかった。
……すみません」
すぐに店員を呼び、お兄さんは注文をした。
「……で。
どうして家に帰りたくないんだ?」
テーブルに肘をつき、軽くこちらに身を乗りだしてくるお兄さんの態度は真摯に見えて、口は滑らかに動く。
「父と高校の進路で喧嘩をして」
「具体的には?」
そんなことで、とか呆れられるんじゃないかと思ったが、お兄さんはさらに先を促した。
「今、大学まで一環の女子校に通っているんですが、私は夢を叶えるために外部の高校に進みたくて。
でも父から反対されました」