政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
少し早い昼食のあと零士さんはスーツに着替え、出掛ける準備をはじめた。
「今から仕事で台湾に行ってくる。
戻りは一週間後の予定だ」
昨日の深夜、帰ってきたばかりなのに?
もうお仕事なの?
「そんな顔をするな。
すぐに帰ってくる」
私の顔を見た零士さんが、からかうように小さくふふっと笑う。
「べ、別に、淋しいだなんて思っていません!」
熱くなった顔で反論した。
淋しいなんてまったく……少し思っている、けど。
それよりも、もしかしたら新婚旅行で無理させたんじゃないかと気になった。
「そうか。
それは残念だ」
零士さんはさっきと同じように笑ったけれど、それはどこか淋しそうだった。
「あの。
……早く帰ってきてくださいね」
顔は見られなくて、俯いて彼のジャケットの袖口を摘まむ。
「そんな可愛いこと言われたら、張り切ってしまって仕事が早く片付きそうだ」
腰を落としてしゃがみ込み、私の顔をのぞき込んだ零士さんの唇が私の額に触れた。
「その。
無理はしなくていいので」
「清華は優しいな」
「今から仕事で台湾に行ってくる。
戻りは一週間後の予定だ」
昨日の深夜、帰ってきたばかりなのに?
もうお仕事なの?
「そんな顔をするな。
すぐに帰ってくる」
私の顔を見た零士さんが、からかうように小さくふふっと笑う。
「べ、別に、淋しいだなんて思っていません!」
熱くなった顔で反論した。
淋しいなんてまったく……少し思っている、けど。
それよりも、もしかしたら新婚旅行で無理させたんじゃないかと気になった。
「そうか。
それは残念だ」
零士さんはさっきと同じように笑ったけれど、それはどこか淋しそうだった。
「あの。
……早く帰ってきてくださいね」
顔は見られなくて、俯いて彼のジャケットの袖口を摘まむ。
「そんな可愛いこと言われたら、張り切ってしまって仕事が早く片付きそうだ」
腰を落としてしゃがみ込み、私の顔をのぞき込んだ零士さんの唇が私の額に触れた。
「その。
無理はしなくていいので」
「清華は優しいな」