政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「夢って、どんな?」
頼んだ飲み物が運ばれてきたがそれには手をつけず、お兄さんがさらに聞いてくる。
「私、服を作るのが好きで。
将来、自分のブランドを立ち上げたいんです。
それで服飾系の学校へ進みたいんです」
「服飾系、ね……」
体勢を解き、お兄さんはカップを口へ運んだ。
夢物語を、なんて父と同じことを言って笑うんだろうか。
不安で不安で次の言葉を待つ。
「君はどれくらい、それに本気なんだ?」
カップをソーサーに戻し、今度は片肘をテーブルにのせてお兄さんは私へと身を乗りだした。
レンズの向こうから見つめる瞳は私を試している。
ごくりと唾を飲み込み、ゆっくりと私は口を開いた。
「私は……」
「うん」
自分でできる限りの勉強をしていること。
もし服飾系の学校へ進めたらそちらの勉強はもちろん、父の望む勉強もしっかりやること。
服飾系に進めなくても服作りは止めず、独学でも努力を続けていくこと。
そんな内容を自分の持てる精一杯でお兄さんに話す。
お兄さんはときどき相槌を打つ以外は黙って私の話を聞いてくれた。
「よし、それをそっくりそのまま父親に話せ。
きっとわかってくれるはずだ」
頼んだ飲み物が運ばれてきたがそれには手をつけず、お兄さんがさらに聞いてくる。
「私、服を作るのが好きで。
将来、自分のブランドを立ち上げたいんです。
それで服飾系の学校へ進みたいんです」
「服飾系、ね……」
体勢を解き、お兄さんはカップを口へ運んだ。
夢物語を、なんて父と同じことを言って笑うんだろうか。
不安で不安で次の言葉を待つ。
「君はどれくらい、それに本気なんだ?」
カップをソーサーに戻し、今度は片肘をテーブルにのせてお兄さんは私へと身を乗りだした。
レンズの向こうから見つめる瞳は私を試している。
ごくりと唾を飲み込み、ゆっくりと私は口を開いた。
「私は……」
「うん」
自分でできる限りの勉強をしていること。
もし服飾系の学校へ進めたらそちらの勉強はもちろん、父の望む勉強もしっかりやること。
服飾系に進めなくても服作りは止めず、独学でも努力を続けていくこと。
そんな内容を自分の持てる精一杯でお兄さんに話す。
お兄さんはときどき相槌を打つ以外は黙って私の話を聞いてくれた。
「よし、それをそっくりそのまま父親に話せ。
きっとわかってくれるはずだ」