政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
さらに大学からは極力親の手を離れていたので、良家の子女としての教養はほぼついていない。
「それじゃあ今日は、好きに生けてみて。
気楽にやってもらっていいですからね」
「はい、わかりました」
私に優しく微笑みかけ、お義母さまは他の人のところへ行った。
……気楽に、か。
鋏を持つ手が緊張で震える。
ここでの評価は零士さんの評価にもなる。
なので責任重大だ。
お稽古自体は一見、穏やかに進んでいく。
三十人ほどが部屋の両端にずらりと並んでお花を生けているのは、なかなかに見応えがある。
が、それを楽しんでいる余裕は私にはない。
私がお花を切るだけで、視線が集中した。
私が剣山にお花を刺すだけで、ひそひそと話す声が聞こえる。
監視されているかのようで、緊張した。
おぼろな記憶を頼りに、花を生けていく。
一応生け終わり、少し身体を離して確認する。
自分では悪くないと思うんだけど、どうなんだろう?
ダメダメとか言われたらどうしよう。
どうせ父が連れてくる相手と結婚すればこうなるのはわかっていたんだし、なんで私はしっかりやっておかなかったんだろう。
だいたい、見合いから嫁ぐ日までにやっておくつもりだったのだ。
それが、見合い即結婚なんてなったから。
……なんていうのは言い訳でしかないのはわかっている。
「できました。
よろしくお願いします」
「それじゃあ今日は、好きに生けてみて。
気楽にやってもらっていいですからね」
「はい、わかりました」
私に優しく微笑みかけ、お義母さまは他の人のところへ行った。
……気楽に、か。
鋏を持つ手が緊張で震える。
ここでの評価は零士さんの評価にもなる。
なので責任重大だ。
お稽古自体は一見、穏やかに進んでいく。
三十人ほどが部屋の両端にずらりと並んでお花を生けているのは、なかなかに見応えがある。
が、それを楽しんでいる余裕は私にはない。
私がお花を切るだけで、視線が集中した。
私が剣山にお花を刺すだけで、ひそひそと話す声が聞こえる。
監視されているかのようで、緊張した。
おぼろな記憶を頼りに、花を生けていく。
一応生け終わり、少し身体を離して確認する。
自分では悪くないと思うんだけど、どうなんだろう?
ダメダメとか言われたらどうしよう。
どうせ父が連れてくる相手と結婚すればこうなるのはわかっていたんだし、なんで私はしっかりやっておかなかったんだろう。
だいたい、見合いから嫁ぐ日までにやっておくつもりだったのだ。
それが、見合い即結婚なんてなったから。
……なんていうのは言い訳でしかないのはわかっている。
「できました。
よろしくお願いします」