政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
楽しいひとときを過ごし、マンションへ帰る。

「ただいま……」

出迎えてくれたメイドさんを、今日はもういいからと帰す。

「静か……」

お風呂に入り、ぼすっとベッドに横になった。

賑やかな家から帰ってきたからか、ひとりの家は淋しい。

「ある日突然、結婚相手に私を使命、か……」

ひとりになると、今日、義実家で聞いた話を思い出した。
なんで零士さんは私を選んだんだろう。
今日のお稽古の場には、私なんかよりも零士さんの奥さんにふさわしい人は何人もいた。
聞いたら、教えてくれるかな……?

「零士さん、早く帰ってこないかな……」

彼が帰ってくる予定まであと六日。
なんか、長い……。



零士さんが帰ってくるまで、ひたすらデザイン画を描き散らかした。

「うー、決まんない……」

ウェディングドレスの案をいくつか描いてみたが、なかなかしっくりこない。

「式場、どうするんだろ……」

長いトレーンは憧れだが、会場によっては邪魔になる。
クラシックか現代モダンかでも合うドレスは変わってくる。
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