政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
さらりと零士さんの手が、顔に落ちかかる私の髪を払う。
「お稽古も、あんなにたくさんの人が集まってるのが面白くて。
生けたお花もひさしぶりにしてはよくできていると、お義母さまも褒めてくださりました」
「よかったな。
俺も清華の生けた花、見てみたい」
「でも正座、足が痺れますね。
なんかコツがあるんでしょうか?」
「そうだな、あとで教えてやろう」
零士さんはにこにこ笑って私を見ているが。
「えっと……?」
「もう他にないのか?」
そっと私の頬に触れて彼は促してくるが、他にってなんだろう?
「ないですけど?」
零士さんはいったい、なにを聞きたいのかな?
心当たりはまったくない。
「そうか、ないならいいんだ」
微笑んだ彼は、私に額に口付けを落とした。
それでようやく、気づく。
もしかして、お稽古のときに嫌な思いをしなかったかとか聞きたいんじゃないんだろうか。
でもそれは鞠子さんたちの悪口を言うことになるし、別に困っているわけじゃないからいい。
「お稽古も、あんなにたくさんの人が集まってるのが面白くて。
生けたお花もひさしぶりにしてはよくできていると、お義母さまも褒めてくださりました」
「よかったな。
俺も清華の生けた花、見てみたい」
「でも正座、足が痺れますね。
なんかコツがあるんでしょうか?」
「そうだな、あとで教えてやろう」
零士さんはにこにこ笑って私を見ているが。
「えっと……?」
「もう他にないのか?」
そっと私の頬に触れて彼は促してくるが、他にってなんだろう?
「ないですけど?」
零士さんはいったい、なにを聞きたいのかな?
心当たりはまったくない。
「そうか、ないならいいんだ」
微笑んだ彼は、私に額に口付けを落とした。
それでようやく、気づく。
もしかして、お稽古のときに嫌な思いをしなかったかとか聞きたいんじゃないんだろうか。
でもそれは鞠子さんたちの悪口を言うことになるし、別に困っているわけじゃないからいい。