政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
なに作ろうかなー?
妄想がはかどっちゃう。

「そのー、清華?」

「はい?
……あ」

遠慮がちに声をかけられて零士さんに抱きついている自分に気づき、そろそろと離れる。
こんなの、恥ずかしすぎる。
それに、はしたないよね……?

「清華から抱きついてくれるとか、嬉しすぎる」

緩む顔を見られたくないのか、零士さんは口もとを手で隠して顔を逸らした。

「あ、えと。
……そう、ですか」

これくらいで喜んでくれるなら、……たまにはいいかな。

「あ、他にも入ってますね」

紙袋の底は小箱がひとつ、残っていた。
手に取って蓋を開けてみる。

「ピアス……?」

中には、赤い石のピアスが入っていた。

「バタバタして清華に誕生日プレゼント、渡すの忘れていたなと思って」

誕生石のルビー、遅れたからといって嬉しくないわけがない。
しかし。
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