政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
第四章 素敵な結婚式の計画
零士さんが台湾から帰ってきた翌日は……朝からバタバタしていた。
「なんか不満があるのか」
朝食を食べながら、前に座る私を零士さんが眼鏡の奥からちらりと見る。
「いえ……」
適当に笑って誤魔化した。
……本当は。
せっかくできた時間はゆっくり休んでほしい。
滅多に家にいないと言っていた。
明日から北海道、九州、沖縄と周り、次に帰ってくるのは十日後だと言っていた。
なら、できた時間は私になど使わず、身体を休めてほしい。
でも、少ない休みの日でいろいろしなければいけないのもわかっている。
ジレンマ。
朝食のあとは宝飾商の人間が来て、結婚指環と婚約指環のオーダーをした。
「うん、いいんじゃないか」
「そうですね、いいと思います」
できあがったデザイン画を見て、零士さんが満足げに頷く。
彼のこだわりと私の要望が反映された指環は、このとおりできあがれば素敵なものになるだろう。
お昼を食べたあとは式場の下見。
指環は来てもらえばいいが、式場はそうはいかない。
実際に見た方がいいだろ、と連れ出された。
教会に到着し、案内の方と共に中に入る。
「素敵です……!」
戦後に建てられた現代モダンの教会は、高い天井から燦々と光が降り注ぐ。
静謐な空気に、背筋が自然と伸びた。
「なんか不満があるのか」
朝食を食べながら、前に座る私を零士さんが眼鏡の奥からちらりと見る。
「いえ……」
適当に笑って誤魔化した。
……本当は。
せっかくできた時間はゆっくり休んでほしい。
滅多に家にいないと言っていた。
明日から北海道、九州、沖縄と周り、次に帰ってくるのは十日後だと言っていた。
なら、できた時間は私になど使わず、身体を休めてほしい。
でも、少ない休みの日でいろいろしなければいけないのもわかっている。
ジレンマ。
朝食のあとは宝飾商の人間が来て、結婚指環と婚約指環のオーダーをした。
「うん、いいんじゃないか」
「そうですね、いいと思います」
できあがったデザイン画を見て、零士さんが満足げに頷く。
彼のこだわりと私の要望が反映された指環は、このとおりできあがれば素敵なものになるだろう。
お昼を食べたあとは式場の下見。
指環は来てもらえばいいが、式場はそうはいかない。
実際に見た方がいいだろ、と連れ出された。
教会に到着し、案内の方と共に中に入る。
「素敵です……!」
戦後に建てられた現代モダンの教会は、高い天井から燦々と光が降り注ぐ。
静謐な空気に、背筋が自然と伸びた。