政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「すまない、待たせたな」
「いえ」
私がケーキを食べ終わった頃、お兄さんは戻ってきた。
「送っていく」
伝票を手にレジへ向かうお兄さんを追う。
「え、いいですよ!」
「いいから」
押し切られる形で店を出て、一緒に歩く。
やはりお兄さんが歩くのは速くて、着いていくのが大変だ。
少し歩いてお兄さんは花屋の前で足を止めた。
「ちょっと待ってろ。
……ん?
なんでそんなに息が上がってるんだ?」
「あ、えと……」
私が軽くはーはー言っていてお兄さんは不思議そうだが、笑って誤魔化した。
顎に軽く握った手を当ててお兄さんは何事か考えていたが、なにかに思い至ったのかはっとしたあと、すまなそうに私を見下ろした。
「……わるかった、もっとゆっくり歩くようにする」
「あ、いえ。
お気になさらずに……」
きっとお兄さんの周りには私なんかよりも背の高いモデルのような女性たちばかりで、気づかなかったんだろう。
……なんて考えてむっとした。
「いえ」
私がケーキを食べ終わった頃、お兄さんは戻ってきた。
「送っていく」
伝票を手にレジへ向かうお兄さんを追う。
「え、いいですよ!」
「いいから」
押し切られる形で店を出て、一緒に歩く。
やはりお兄さんが歩くのは速くて、着いていくのが大変だ。
少し歩いてお兄さんは花屋の前で足を止めた。
「ちょっと待ってろ。
……ん?
なんでそんなに息が上がってるんだ?」
「あ、えと……」
私が軽くはーはー言っていてお兄さんは不思議そうだが、笑って誤魔化した。
顎に軽く握った手を当ててお兄さんは何事か考えていたが、なにかに思い至ったのかはっとしたあと、すまなそうに私を見下ろした。
「……わるかった、もっとゆっくり歩くようにする」
「あ、いえ。
お気になさらずに……」
きっとお兄さんの周りには私なんかよりも背の高いモデルのような女性たちばかりで、気づかなかったんだろう。
……なんて考えてむっとした。