政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「それはいいねー」

しかしお義父さまが賛成してくれ、俯きかけていた顔を上げる。

「いつにする?
いつにする?
こんなに可愛い娘とデートだなんて、楽しみだ」

お義父さまはうきうきとスケジュールを確認しだしたが、……これってデートなんですか?
相手はお義父さまとはいえ、零士さんが許可してくれるか心配……。

「あー、あなただけズルい!
私だって清華さんとお買い物に行きたいのにー!」

なんだか軽く、お義母さまとお義父さまで私の取り合いがはじまった。

「清華さん。
今度私とお買い物に行きましょう?」

「僕とのデートが先だよ」

「え、えーっと……」

微妙な笑顔でふたりの言い合いを見守る。
こんなに義理の娘である私を可愛がってくれるのは嬉しいが……困ったな。

「清華さん、どっち!?」

とうとう仲良くハモって迫られた。

「あー、……えと。
おふたり同時に……とかはダメですよね?」

「ダメよ、女同士の話だってあるんだから」

「ダメだよ、可愛い娘とのデートなんだよ?」
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