【短】そろそろ好きって言えよ。
「だから、寝るなって言ってるだろ」
「なっ……じん!やめへよ!」
「はは、ぶっさいくなカオ」
仁が私の頬を摘まみ出して、落ちかけていた意識が戻る。
手加減してくれているのか大した痛みじゃないけど、角張った指がむにむにと頬を揉むせいで、私が上げた抗議の声は変になってしまう。
好き勝手に弄られることに痺れを切らして起き上がると、先程とは打って変わって愉しげな様子の仁と視線が合った。
もう、幼なじみだからって遠慮がないんだから!
「あ、やっとこっち見た」
「ちょっと、女の子はもっと丁寧に扱わないとダメ!そんなんじゃモテないよ!」
なーんて軽口を叩いたけど、仁とはクラスは違うから他の女子にどう接してるのかまでは分からない。
でも、顔も性格もいいしきっとモテてるんだろうな。