今さら好きだと言いだせない
「町宮さん、お疲れ様」
社内の一階で用事を済ませ、業務部へ戻るためエレベーターを待っているところへ声をかけられて、そちらへ振り向く。
すると今日もカッコいいスーツ姿の徳永さんが、モデルのようにすらりと立っていた。
「お疲れ様です」
「この前はありがとね」
「いえいえ、こちらこそ本当にすみませんでした!!」
ペコッと腰を九十度に折って謝罪をする私を目にし、徳永さんはわけがわからないとばかりにポカンと呆気にとられた。
「え、俺はミーティングに付き合ってもらって助かったんだけど」
「……ああ! ミーティング!」
そっちか、とホッと胸をなでおろす。
ネクタイの件だと勝手に勘違いした自分が恥ずかしすぎて、穴があったら入りたいくらいだ。
「あれは仕事なので、お礼を言っていただかなくても大丈夫っていうか……」
アハハと笑って誤魔化し、視線をエレベーターのほうへ向ける。
徳永さんがネクタイのことをいつまでも気にしているわけがないのに。
社内の一階で用事を済ませ、業務部へ戻るためエレベーターを待っているところへ声をかけられて、そちらへ振り向く。
すると今日もカッコいいスーツ姿の徳永さんが、モデルのようにすらりと立っていた。
「お疲れ様です」
「この前はありがとね」
「いえいえ、こちらこそ本当にすみませんでした!!」
ペコッと腰を九十度に折って謝罪をする私を目にし、徳永さんはわけがわからないとばかりにポカンと呆気にとられた。
「え、俺はミーティングに付き合ってもらって助かったんだけど」
「……ああ! ミーティング!」
そっちか、とホッと胸をなでおろす。
ネクタイの件だと勝手に勘違いした自分が恥ずかしすぎて、穴があったら入りたいくらいだ。
「あれは仕事なので、お礼を言っていただかなくても大丈夫っていうか……」
アハハと笑って誤魔化し、視線をエレベーターのほうへ向ける。
徳永さんがネクタイのことをいつまでも気にしているわけがないのに。