今さら好きだと言いだせない
§4.私の好きな人は……
***
帰宅した私はソファーに座ったまましばらくボーッとしていた。
今日はいろいろありすぎて、完全にキャパオーバーだ。
魂が抜けたように呆然とする中、テーブルの上に置いたスマホが光って着信を告げた。
画面を確認するとメッセージが届いていて、送り主は燈子だった。
『大丈夫?』
そんな短いメッセージに、私はホッとして涙が出そうになった。
燈子には先ほど芹沢くんと話した内容を真っ先に伝えておきたいが、会社では話しづらい。なので私は迷うことなくすぐに彼女に電話をかけた。
『もしもし。南帆、今どこ?』
「家に帰って来た」
燈子の声の様子から、私を心配してくれていたのだと想像がついた。
「今、電話で話してもいい?」
了承を得たあと、私は順序だてて溝内さんや高木さんとの件を燈子に話し、芹沢くんの提案を飲んでしまったことを最後に伝えた。
彼女は相槌を打ちながら黙って聞いてくれて、私がすべて話し終わると『偽装カップル成立、だね』と電話口でつぶやいた。
『今夜はもう考えすぎないようにして早めに寝なよ。ね?』
燈子から慰めの言葉をもらい、私は「ありがとう」とお礼を言って電話を切った。
私が精神的に疲弊しているのを察してくれる彼女には、感謝しかない。
どのみち明日も仕事だ。燈子の言うとおり今日はさっさと寝てしまえ、と布団に入ったものの、いろいろと頭に浮かんできてなかなか寝付けなかった。
帰宅した私はソファーに座ったまましばらくボーッとしていた。
今日はいろいろありすぎて、完全にキャパオーバーだ。
魂が抜けたように呆然とする中、テーブルの上に置いたスマホが光って着信を告げた。
画面を確認するとメッセージが届いていて、送り主は燈子だった。
『大丈夫?』
そんな短いメッセージに、私はホッとして涙が出そうになった。
燈子には先ほど芹沢くんと話した内容を真っ先に伝えておきたいが、会社では話しづらい。なので私は迷うことなくすぐに彼女に電話をかけた。
『もしもし。南帆、今どこ?』
「家に帰って来た」
燈子の声の様子から、私を心配してくれていたのだと想像がついた。
「今、電話で話してもいい?」
了承を得たあと、私は順序だてて溝内さんや高木さんとの件を燈子に話し、芹沢くんの提案を飲んでしまったことを最後に伝えた。
彼女は相槌を打ちながら黙って聞いてくれて、私がすべて話し終わると『偽装カップル成立、だね』と電話口でつぶやいた。
『今夜はもう考えすぎないようにして早めに寝なよ。ね?』
燈子から慰めの言葉をもらい、私は「ありがとう」とお礼を言って電話を切った。
私が精神的に疲弊しているのを察してくれる彼女には、感謝しかない。
どのみち明日も仕事だ。燈子の言うとおり今日はさっさと寝てしまえ、と布団に入ったものの、いろいろと頭に浮かんできてなかなか寝付けなかった。