今さら好きだと言いだせない
高木さんは元々は営業一部の所属だったけれど、半年前に社内異動で私たちがいる企画業務部にやってきた。
見積もりやプレゼンの資料を作るのは得意らしいが、経費申請とか社内向けの細かい書類作成は苦手なのだそう。
「いやいや、誰もが書いてる申請書だし、なにも難しくないでしょう?」と、先輩でなければ突っ込んでいるところだ。
営業部にいたときはどうしていたのだろう? 今より経費申請は絶対に多かったはずなのに。
営業事務の女性に手伝ってもらっていたのだろうか。手のかかる人だ。
「でもさ、彼女、俺に対しては普通だよ? 特に不機嫌な様子はない。書類に不備があっても、明るくごめんねって言うとたまに笑ってくれたりする」
「以前は私にもそうでしたけど、今はわかりやすくあきらかに不愛想なんですよね」
隣で聞いていた燈子が、「私に対しても同じ!」と言葉を足したけれど、燈子は私と仲がいいから巻き添えになっているのだ。なんだかそれも申し訳ない。
溝内さんは入社以来ずっと経理部所属だが、最初は私を嫌っている様子はなかった。
こんなに冷淡な態度になったのは三ヶ月くらい前からで、先月からは特にひどい。
「嫌われるようなこと、なにかしたの?」
「していませんよ。彼女とはあまり仕事の関わりもないし、身に覚えがありません」
「あ、町宮は俺と仲がいいから嫉妬されてるのかもなぁ」
見積もりやプレゼンの資料を作るのは得意らしいが、経費申請とか社内向けの細かい書類作成は苦手なのだそう。
「いやいや、誰もが書いてる申請書だし、なにも難しくないでしょう?」と、先輩でなければ突っ込んでいるところだ。
営業部にいたときはどうしていたのだろう? 今より経費申請は絶対に多かったはずなのに。
営業事務の女性に手伝ってもらっていたのだろうか。手のかかる人だ。
「でもさ、彼女、俺に対しては普通だよ? 特に不機嫌な様子はない。書類に不備があっても、明るくごめんねって言うとたまに笑ってくれたりする」
「以前は私にもそうでしたけど、今はわかりやすくあきらかに不愛想なんですよね」
隣で聞いていた燈子が、「私に対しても同じ!」と言葉を足したけれど、燈子は私と仲がいいから巻き添えになっているのだ。なんだかそれも申し訳ない。
溝内さんは入社以来ずっと経理部所属だが、最初は私を嫌っている様子はなかった。
こんなに冷淡な態度になったのは三ヶ月くらい前からで、先月からは特にひどい。
「嫌われるようなこと、なにかしたの?」
「していませんよ。彼女とはあまり仕事の関わりもないし、身に覚えがありません」
「あ、町宮は俺と仲がいいから嫉妬されてるのかもなぁ」