執事的な同居人






「それで良かったの?」

「うん、こーゆーのも喜ぶよ」




可愛らしいデザインの紙袋を片手に持って王子は嬉しそうな表情をする。




案外すぐ決まったけれど良かったのかな?




「今日は本当にありがとな。おかげでいいプレゼントが買えたし、助かった」




待ち合わせをした駅に戻ってくると




王子はポケットから小さな袋を取り出して、私の手のひらにそれを置く。




「なに、コレ?」

「なにって?今日付き合ってくれたお礼」

「え!?いいよこんなの!!」




受け取れるわけがない…!!



今日はただ一緒について行っただけで何もしてないし…




「いいから受け取って」

「いいよいいよ!ほんと何もしてないから…」




置かれたその小さな袋を王子に押し返す。



王子はそんな私の手をキュッと掴んだ。




「俺、言ったでしょ?今日は俺のことを少しだけでも知ってもらうって。」

「っ………、」

「この中身は髪飾りなんだ。俺から貰ったこと覚えといて」




掴まれた手にその髪飾りが入った袋を握り返される。




「少しでもいい。俺のこと考えてほしいんだ」




もう意味分かるよね?



そう得意気な表情を見せる王子に私は何かを察して目を逸らす。


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