執事的な同居人






家に着いたのは午後7時辺り。




家の中がとても静かだったから颯太さんは夜の仕事へ行ってしまったんだと思ってた。




部屋に荷物を置いて、貰った髪飾りは見つめつつも机の上に置いた。



……デザインは凄く私好みだ。




本当に何もしていないから受け取らないつもりだったけど、今となっては受け取って良かったかもなんて。





「………………」





ボフッ





身体をベッドの上に横たわらせて何もない天井を眺めた。





王子……私の事好きって事だよね?





(いや、王子じゃなくてカイか)





慣れないその呼び名。
王子の方が呼びやすくて助かるのに。




告白はされていない。だけどそれっぽいことは言われた。てことはそうだって事でいいんだよね?





「………………」





思い返すと恥ずかしい気持ちになる。



だってこんな事今までになかったから。告白なんてされたことがないし………





(……モテ男のやる事だ。きっと私の反応を見て楽しんでいるだけでしょ)





そう思ってしまう私は警戒心が強いのか、それともその事実を信じたくないのか。



どちらかと言えば前者だ。


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