執事的な同居人
颯太side
「………ん、」
どこだ、ここ…
目を開けると明るいこの場所に薄らと目を細めた。
見覚えのある家具
身覚えのある匂い
そして
「えっ。」
すぐ隣には
目を閉じて眠る紀恵さんの姿。
驚いて傾いていた身体を立て直す。
どうやら俺は紀恵さんの肩を借りて眠っていたらしい。
「っ、」
ズキンッと頭が痛む。
きっとそれは二日酔いか何か。
飲み会で課長に結構飲まされてしまったからだろう。
記憶が無くなるくらい飲んだのは、久々だ。
外はまだ少し暗い。
もう少しで日が昇りそうな、そんな感じ。
スースーと寝息を立てて眠る紀恵さんをチラリと見る。
なんでここにいるんだ?
俺は遅い時間に帰ってきたはず。
もう寝ているだろうと思ってた。
なのに
「あー……」
ほんと、思い出せない。