執事的な同居人






久々にエプロンを纏って

久々にキッチンに立った。



あまり音は立てないでおこうと思って
出来るだけ静かに作り始める。





途中もう少しで完成するってときに



ガチャッ、とリビングのドアが開いて





「………お、おはよ!!!」

「………………」




颯太さんが起きてきた。



その姿はいつものようにスーツ姿だけど、
慌てて着替えたのか少し乱れてた。

そして二日酔いなのか頭を軽く抱えて。




「すみません…代わりますね」

「いいよ今日は!座ってて!」

「ですが……」

「いいって!しんどそうな顔してる人に動いてほしくないし」




手伝おうとする颯太さんの背中を押して
ソファーへと連れて行く。





大きな背中に少し硬い感触。


(この身体に私は昨日抱き抱えられて……)


そう考えてしまうと

身体がポッと熱くなる。




「っ…、ほら!ここに座ってて!」




トンッ

 

軽く背中を押せば

自然とソファーに腰掛けた颯太さん。





「…………すみません」


その顔は本当に申し訳なさそうな顔をする。


気にしなくていいのに。





「今日は私が家事するからね!だから颯太さんは今日1日休んでてよ」





「…………………」


「そんな心配そうな顔されなくても出来るから」




疑ってやがるな……



颯太さんがこの家に来るまでの間はずっと家事していたんだから!なめられちゃ困る!!


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