執事的な同居人
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「出来たっ!」
綺麗に並べた朝ごはんを見て満足する私。
あとは颯太さんを呼んでー…
寝ているのかな?そう思いながらも部屋のドアをコンコンと2回軽く叩き
「颯太さん、出来たよ~?」
ひょっこりと覗き込めば
パソコンを操作する颯太さんの姿が見えて
「はい。今行きます」
振り返った彼は眼鏡をかけていた。
眼鏡姿に不覚にもドキッとして
とても似合っていたから言葉を失った。
(カッコいいな………)
一瞬しか見れなかったけど。
あと今日くらいは部屋着で居ればいいのに……
スーツ、動きにくくないのかな?
「おおっ、」
リビングに来た颯太さんはテーブルに並べられた朝ごはんを見て驚きの声をあげていた。
「ちゃんとしたご飯に見えます」
「失礼なっ!」
私が何もできないとでも思ってるのか!!
「いただきます」
手を合わせて食べ始めた彼に
少しだけ緊張が走った。
間違いなく美味しいことは分かっているけど
人に作ってあげたことがないから、食べられるのってなんだか緊張する…
ドキドキと胸が鳴る中
チラリと彼の顔色を伺えば
「美味しいです。」
「っ!あっ…たりまえでしょ…!」
「はい。とても」
優しく微笑んでくれた。
美味しいと私の目を見て言ってくれた。
たったそれだけのことなのに、
凄く嬉しい。