執事的な同居人
………だけど
「……ごめん、カイとは…付き合えない」
掠れた声で
「私は、颯太さんが好き……」
想いを告げた。
それは紛れもなく事実なわけで
「……そんな気持ちでカイとは付き合えない、…ごめん」
例え颯太さんに気がないと言われても、
好きだと思う気持ちは変わらない。
「………そっか」
諦めたのか、私の手をスルリと離すと
「俺は、応援しないよ。
………ただ、
辛い事があったら、俺のところにおいで?
いつでも慰めてあげるから」
いつものように、爽やかな笑みを浮かべる。
「なんなら今、慰めてあげよーか?」
大きく手を広げて「おいで?」なんて意地悪そうな顔をしながら呟くから
「け、結構ですっ!!」
ムキになるようにそう言えば
私の反応を面白がって笑っているカイに、少しだけ安心感を感じていた。
意外とこのやりとりに慣れてきたのかもしれない。