執事的な同居人




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「あー!良かった!!大したことなくて!」





急用を同期の篠原(シノハラ)となんとかやり過ごして、安堵の胸をなでおろす。





「さっすが颯太っ!颯太のおかげで社長さんも納得してくれたし」


「篠原が資料持って来てくれたからだよ」


「違う違う!私の資料なんてほぼ意味無し!

颯太の説明が " 完璧 " だったから!!

やっぱり持つべきものは同期だわ~」





"完璧"



その言葉が、いつでも俺に付き纏う。





だから、



俺は、



完璧なんかじゃないんだって






「っ、」




ズキン


………頭が痛い。





もちろん二日酔いは治っていなくて


吐き気はないものの、頭痛と胸焼けがひどい。





(………早く帰って横になりたい)





「ふー……」っと軽く息を吐く。





「どしたの?」

「いや…なんでもない。」

「という割には、二日酔いのような顔をされてますけど?」

「……気づいてたのか」

「だって昨日、課長にえげつない量飲まされてたもん。それででしょ?」





俺の顔を見てニヤッと笑ったかと思えば





「そんな颯太のために!ジャジャーン!」





カバンの中から何かを取り出して、俺の手に握らせる。



目に入ったイラストはリンゴのマークで





「……なんで、リンゴジュース?」

「リンゴジュース飲んだら元気になるよ!!」

「いや何を根拠に」

「私ですっ」





ドヤ顔を見せる篠原。

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