執事的な同居人
「お待たせ致しました。」
瞬く間に準備されたボトルは2本。
…………これを今から飲むのか。
二日酔いだということは言っていない。もちろん顔にも出ていないと思う。
(飲めるかこの量……)
少し引き気味になりつつある俺。
だがこれは仕事であり、バレない程度に小さく息を吐いてグラスに触れる。
……全く飲む気にはならないが。
「どうぞ。」
「ありがと~」
麗華さんの分もグラスに注ぎ、手渡す。
「かんぱ~い」
その合図と共にグラスを軽く当てて、飲む。
あぁ…きつい。ちょっとの量だけでも今日はすぐに酔いが回る気がする。
「やっぱり、颯太くんと飲むのが1番美味しく感じる」
コテンと俺の肩に寄り添ってきた。
「麗華さんは俺を喜ばせるのがお上手ですね」
肩に触れる髪に軽く指を通して触る。
高いボトルは既に頼んでくれた。あとは彼女を早く酔わせて帰らせる事にしよう。
……それでやっと俺の仕事は終わる。