執事的な同居人
好意
私は颯太さんが好き。
気がないと言われても、好きだと思う気持ちは変わらなかった。
(あの時されたキスも嫌じゃなかったし……)
キスをしてくれたのだって、きっと何か意味があるはず。気がないって言っていたのも、咄嗟についた嘘なんじゃないかと思った。
泣いた後、私の心はいつもより落ち着いていて、だからこそ落ち着いて物事を考えられた。
………一度、颯太さんと話をした方が良いかもしれない。
颯太さんの本当の気持ちが知りたい。
キスをしたのはなんで?
私は颯太さんのことをただの同居人なんて思ってないよ。
ちゃんと男として見ているし
私の好きな人
……そう思ってるの。
(あー…やっばい…)
外はもう暗くなっていて、私は急ぎ足で家に戻る。
こんな時間になってしまったのは、カイの買い物に付き合うハメになったから。
クレープ奢ってあげると言われてノコノコついていった私が悪い。
颯太さんは夕方には帰ると言ってた。今は18時過ぎ。
(今日夜の仕事あるって言ってたっけ…)
もしあるとしたら、もういないかも。