執事的な同居人
好意



私は颯太さんが好き。



気がないと言われても、好きだと思う気持ちは変わらなかった。





(あの時されたキスも嫌じゃなかったし……)





キスをしてくれたのだって、きっと何か意味があるはず。気がないって言っていたのも、咄嗟についた嘘なんじゃないかと思った。





泣いた後、私の心はいつもより落ち着いていて、だからこそ落ち着いて物事を考えられた。





………一度、颯太さんと話をした方が良いかもしれない。





颯太さんの本当の気持ちが知りたい。




キスをしたのはなんで?



私は颯太さんのことをただの同居人なんて思ってないよ。





ちゃんと男として見ているし




私の好きな人 




……そう思ってるの。















(あー…やっばい…)





外はもう暗くなっていて、私は急ぎ足で家に戻る。



こんな時間になってしまったのは、カイの買い物に付き合うハメになったから。



クレープ奢ってあげると言われてノコノコついていった私が悪い。





颯太さんは夕方には帰ると言ってた。今は18時過ぎ。





(今日夜の仕事あるって言ってたっけ…)





もしあるとしたら、もういないかも。

< 162 / 422 >

この作品をシェア

pagetop