執事的な同居人
「あれー…私間違えてるのかな」
右手で携帯をいじり始めたその人。
自然と私もそこに視線がいって
「あっ、それ、颯太さんの…」
その人の持つ携帯が颯太さんの物だと気づき、咄嗟に言ってしまった。
その言葉にピクリと反応したその人は
携帯から再び私へと視線を移して、ジロリと見られる。
その目つきがなんだかとても怖くて、キュッと口を閉じた。
「この家、颯太くんの家で合ってる?」
「え?えー…と、合ってる、というか…」
一緒に住んでるだけで、
家自体はお父さんのだし…
なんて答えればいいのか分からない。
「あなた……高校生?」
上から下まで品定めをするような見方。
「そう、ですけど…」
「じゃあ、颯太くんの妹か。」
「えっ」
「颯太くんの家から女が出てきたからビックリしちゃった~ 兄妹なら納得!
じゃっ、ちょっと上がらせてもらうね~」
「あっ、ちょっ…!」
私の隣を通り抜けて家の中へと入ってきた。
勝手に…!
(しかも妹だと勘違いしてるし!!)
高校生だって、一目見ただけで分かるんだ。
まだ自分自身が幼い顔をしているんだと知ると、ちょっとショックを受けた。
………って!そんな場合じゃない!!!