執事的な同居人
拘束
──────────颯太side
「ん………」
薄らと目を開ける。
どうやら俺は眠っていたらしい。
(どこだ、ここ…)
見知らぬ家具。
やけに高い天井。
そして、甘い香り。
何もかもが見覚えのないこの場所に、俺はゆっくりと身体を起こした。
視界に入るこのベッド。
ダブルベッドなのかやけにデカい。
(てか、俺はなんで寝て……)
いつからだ?
記憶を遡って、探る。
麗華さんの相手をして、二日酔いだった俺はあまりお酒を飲まなかった。……いや、飲めなかった。
だから、記憶が無くなるほど酔っていたわけじゃない。
家を貸してあげると言われ、
紀恵さんにまた手を出してしまう前にあの家を出る良い機会だと心が揺らいだものの、
─────あの後、丁重にお断りをした。