執事的な同居人
そんな理由で同居をすることを決めて、初めて紀恵さんがいる家に行った時
一目見て、驚いた。
ああ、もうこんなに大きくなったのだと。
時の流れは本当に早く、昔と比べてみれば、大人になったその姿に不覚にも胸が鳴ったのだ。
そんな彼女は昔のことなんて覚えていないようで、その事に好都合だと思った。
思い出して、また昔のように接されると、俺が俺じゃ無いようなことをしてしまいそうで。
彼女が昔のことを思い出した今、
結局俺は手を出してしまったのだけど。
俺は紀恵さんに依存しているのだろうか。
彼氏がいるということに無性にイラついてしまうし、近くにいれば触れたいと思う。
紀恵さんからすれば迷惑なことかもしれない。
だけど俺は
離れたくないって
切実にそう思うよ。