執事的な同居人
まあ、そんなことよりも、
「紀恵さんに、手出ししてないだろうな?」
グッと手首を掴む手に力を込めた。
だけど彼女は微笑むばかりで
「あの子、キエって言うのね。妹いるなんて知らなかったから凄くビックリした」
妹?
コイツ、何を言ってるんだ?
もしかして、紀恵さんの事を俺の妹だと思い込んでいるのか?
(だとすると、好都合だ。)
妹じゃないと知ったら
この女のことだ、何をするか分からない。
きっと紀恵さんが危険に晒される。
「妹にもさん付けで呼ぶなんて、颯太くんって家でもずっと敬語なんだね?」
はだけたカッターシャツから見える身体にソッと手を添えてきた麗華さん。
ツー…と滑らせるようにして、触る。