執事的な同居人
「悪いですか?」
「ううん、そーゆーところも好き。」
彼女はチュッと俺の肌にキスをした。
誘っているのだろうけど、そんな気分になるわけがない。
ましてや、興味のない女に対して。
「ねえ、颯太くん」
肩を押されると、されるがままの俺はベッドへと倒された。
麗華さんは上から俺を見つめ
俺は下から麗華さんを見る。
「私に、本気になって?
半年前からずっと颯太くんのことが忘れられなかった。ずっと会いたかった。
そして昨日やっと会えたの。
だから、
私との思い出を、もっと増やしてよ」
そういう麗華さんは何かに取り憑かれているようだった。
たぶんそれは、俺に対する依存だ。
今、彼女の頭の中は俺のことでいっぱいなのだろう。
少し、俺と似ている気がする。
俺も紀恵さんに対してそんな気持ちを持っているから。
俺は紀恵さんに依存している。
だから、悪いけど
「キミとの思い出は、いらない。」