執事的な同居人
「知り合いっというか、颯太の妹。なっ?」
「は、はいっ…!」
ポンッと肩に手を置かれて
私はコクコクと何度も頷いた。
(嘘ですけど!!!)
嘘ついてごめんなさい!と罪悪感を持ちながらも、私はその嘘を突き通す。
「ふぅん…。」
「というか、カズ。もう少しで店開くから戻って」
「ああ、すみません。すぐ行きます」
そう言って、吸っていた煙草を携帯灰皿らしき物に押し付ける。
「ごめん。これ返すね」
帽子を頭に返されると、
再び、ジッと私の顔を見て
何も言わずに行ってしまった。
「あの人…涼さんと同じお店の方なんですか?」
「そうそう!厨房担当なんだけどさ、今日だけ外で接客してもらおうと思って。
いつもなら欠員が出た時、颯太に頼むんだけどさ~
今日も出勤してくれる予定だったのに連絡も何もつかねーんだよ。
紀恵ちゃんの言う通り、何かあったのかも。」
その顔は、なんだか困ったような顔つきをしている。
…涼さんも心配になっているということだ。
「てかさっき涼さんって言った!?」
「言いましたけど…ダメでしたか?」
「ううん!全然!高校生に名前で呼ばれるのって、なんかこうキュンっとくんね!」
「…………………」
何を言っているんだこの人は。
年下好きなのかな?
よく分からないけど、出来るだけ離れとこう。