執事的な同居人
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裏口から中に入ると、ここの従業員らしき人たちが沢山居て、結構ざわついていた。
「「涼さんおはようございます!!」」
「ん~ おはよー」
軽く挨拶を返した涼さんは、私の手を取ってズンズン中へ。
それは私が入口らへんで固まっていたからだ。
だって人が沢山いるからなんだか緊張しちゃって…
その中にカズさんの姿もあって、この人はさっき会ったばかりで顔見知りだから
涼さんに引っ張られながらもペコリと頭を下げると
「……………………」
何も言わずに彼も軽く頭を下げてくれた。
「紀恵ちゃんはここにいてね」
そう言って連れて来られた場所は
ズラリと並ぶワインボトルやお酒、そして少し豪華なキッチンのある場所。
厨房?なのかな。
「あそこ男ばかりで落ち着かないでしょ?ここなら広いしあまり人もいないからさ、ここで座って待ってて」
「でも……邪魔にならないですか?」
「この範囲の中なら大丈夫!気にせず座ってていいよ」
私のいる厨房の隅っこには、カウンターチェアのような椅子があって
それに座ってていいということだろう。