執事的な同居人
「すみません。
やっぱり出て行って下さ……って、えぇ!?」
振り向けば、部屋にはもう島崎さんの荷物は綺麗に片付かれていた。
「すみません。喉乾いたんでお茶くれますか?」
ふぅ、と腕まくりをした腕で額を拭く島崎さん。
はやっっ!!
もう住む気満々じゃん!!
「…? なんですか?」
「あ。お茶ですね…ちょっとまって…」
……どうしよう。
もうこれ出て行って下さいなんて言えない状態じゃん。
え、じゃあ同居決定?
「……どうぞ。」
「ありがとうございます」
島崎さんにお茶を手渡して、イスに座る。
机を挟んで前に座る島崎さんをジッと見た。
………でも、結構イケメンかも。
髪の毛サラサラだし、なんか清潔感ありそうだし。
「俺の顔に何かついてます?」
「あ、いえ、違うくて…。……本当に住む気ですか?」
その言葉に、島崎さんはニコリと笑う。
「はい。住みますよ?ここしか俺の居場所ないですし」
「私と一緒に住むんですよ?嫌じゃないんですか?」
こんな初対面な人と住むなんて普通は嫌でしょ。私も嫌だけど。