執事的な同居人
(外の世界凄かったな……)
キラキラと輝いてて
みんな笑顔で
とても楽しそうな感じ。
(颯太さんも昨日はあの世界に…)
麗華さんに対してもそうだけど、女の人を相手に接客していたんだと思うと、なんだか妬いてしまう。
颯太さんは私のものじゃないのにね。
私が初めて好きになった人。
昔も、今も。
「あっ!紀恵ちゃんダメだよ~あそこから出ないでって言ったでしょ?」
「す、すみません…ちょっと落ちつかなくて…」
ドアの前で突っ立っている所を涼さんに見られてしまい、慌ててあの場所に戻ろうとしたが
「紀恵ちゃん。来たよ、麗華さん」
「!!」
私の腕を掴んでそれを拒んだ。
「個室に案内してあるけど、俺が代わりに聞いてこようか?」
「……いえ、行きます。麗華さんと話がしたいんで」
「そ?オッケー。じゃあおいで」
そう言って、さっきとは違う道を歩いていく涼さんの跡を追った。
緊張はしてる。
ビビってもいる。
だけど、ビビってちゃ始まらない。
行動に移さないと、このまま颯太さんに会えないのかもしれないから。
………その方がよっぽど怖い。